群青色(ぐんじょういろ)

群青色は、藍銅鉱(アズライト)と呼ばれる石を砕いて作られる青色の岩絵具です。古来、得難い青だったこの色は、宝石に匹敵するほどの貴重品。群青色を用いて表現される対象は、如来像や菩薩像の頭髪など、尊いものでなくてはなりませんでした。

欧州においても、オランダの画家ヨハネス・フェルメールが群青色を愛用。有名なのは「真珠の耳飾りの少女」と呼ばれる絵です。少女のターバンに使われるあざやかな青色に、目を奪われた方も多いのではないでしょうか。この特別な青は「フェルメール・ブルー」とも呼ばれます。吸い込まれそうな深みと、不思議な透明感がまたとない魅力を放つ一色です。