
昼下がり時。雨上がりの陽射しが差し込む放課後等デイサービスの教室には、子どもたちの楽しげな声が響いていた。今日の活動は絵しりとり。壁には、カラフルな絵カードがずらりと並んでいる。
自閉スペクトラム症の小学1年生、Aくんは、少し緊張した面持ちで自分の番を待っていた。絵を描くのが大好きだが、言葉でのやり取りが苦手。視覚支援として、スタッフは事前に絵カードを選んで渡してくれた。Aくんはそれを確認し、深呼吸をする。
彼の前に置かれたカードには「木」の絵が描かれている。Aくんは真剣な表情で画用紙に向かい、鉛筆を走らせる。彼の描く木は、力強く、生命力に満ちている。枝には、小さな葉が丁寧に描かれていた。
次に、軽度知的障害のある小学1年生、Bちゃんが挑戦。彼女は、絵を描くことよりも、言葉でしりとりをすることに少し戸惑っていた。先生は、発語言語支援として、絵カードと簡単な言葉のヒントを組み合わせた支援シートを用意していた。Bちゃんは、シートを指さしながら、ゆっくりと「木」から始まる言葉を考える。スタッフは優しく見守り、声かけをしながら、美咲ちゃんを励ます。
しばらくして、Bちゃんは「きのこ」という言葉を選び、スタッフと一緒に「きのこ」の絵を描いた。彼女の絵は、少しユニークで、愛嬌のあるきのこだった。
一人ひとりが、自分のペースで、それぞれの方法で絵しりとりを楽しんでいた。Aくんは、自分が描いた木を見て満足げな表情を浮かべた。Bちゃんは、自分の描いたきのこを嬉しそうに見せてくれた。
教室には、温かい空気と、創造性と、そして、子どもたちの笑顔が満ち溢れていた。スタッフは、彼らの成長を心から喜び、明日への活力を得ていた。 活動の最後に、全員で描いた絵を繋げて大きな一枚の絵にすると、子どもたちはさらに大喜び。その絵は、放課後等デイサービスの、かけがえのない思い出として、大切に保管された。