
6月12日、放課後等デイサービスでは「日記の日」と「恋人の日」をテーマに、語り合いが行われた。しかし、そこに性教育の要素が加わったことで、通常の照れ臭さとは異なる、複雑で微妙な空気が漂っていた。
最初に「日記」の発表。いつものように、飼っているペットの話やゲームの話題などが飛び交う中、ある女の子が、生理について書いた日記の一部を読み上げた。最初は戸惑いを見せていた彼女だったが、スタッフの温かいフォローもあり、生理痛の辛さや、周りの友達との情報交換の難しさなどを素直に語った。その言葉に、他の参加者も共感し、生理に関する悩みや疑問が次々と共有された。思春期の女の子たちの、デリケートな話題が、予想以上にオープンに語られる展開となった。
続いて「恋人の日」のテーマ。理想の恋人像や恋愛への憧れが語られる中、性的な話題が自然と混ざり合った。スタッフは事前に準備していた資料を用いて、性交や妊娠、避妊といったテーマについて、年齢層に合わせた分かりやすい言葉で説明した。参加者たちは、最初は戸惑いを見せていたものの、次第に積極的に質問をするようになり、活発な意見交換が行われた。 中には、恋愛感情と性的な欲求の違いについて、真剣に悩む参加者もいた。
しかし、性教育を取り入れたことで、以前とは異なる距離感が生まれた。 今まで以上に、参加者同士、そしてスタッフとの間にも、微妙な緊張感が走っていた。 照れ臭さだけでなく、恥ずかしさ、戸惑い、そして少しの不安が混ざり合った複雑な感情が、教室の空気を満たしていた。 それでも、参加者たちは、自分の気持ちを正直に伝えようとする努力をしていた。 それは、彼らが性について学び、理解しようと努めている証だった。
一日を終え、多くの参加者たちは疲れた様子を見せていた。しかし、彼らの表情からは、何か新しいものを得たという充実感も感じられた。 性教育は、彼らにとって、決して簡単な話題ではなかった。しかし、その日の語り合いは、彼らが大人へと成長していく上で、必要不可欠な経験になったことは間違いない。 そして、この経験は、彼らの人間関係、特に異性との距離感に、少なからず影響を与えるだろう。 明日の日記には、今日感じた複雑な感情を、どのように表現するだろうか。 少し、気になっている。