静かに灯されたロウソクの火が、ケーキに映る。放課後等デイサービスの小さな部屋には、スタッフと子どもたちの温かい笑顔と、ケーキの甘い香りが漂う。 特別な飾り付けはない。けれど、子どもたちが描いた絵や、折り紙で作った飾りで、部屋は優しい気持ちでいっぱいだ。

誕生日を迎えた子どもたちは、少し照れくさそうにしながらも、スタッフから贈られたプレゼントを大事そうに抱えている。 静かに流れる音楽の中、みんなで「ハッピーバースデー」を歌う。 普段は賑やかな子どもたちも、この瞬間だけは静かに、そして真剣な表情で歌声に耳を澄ませている。

プレゼント交換は、特別なものではなく、手作りの小さなプレゼントや、心温まるメッセージカードのやり取り。 それでも、子どもたちの顔には、言葉にならないほどの喜びが溢れている。 スタッフも一緒に、その喜びを分かち合う。

ろうそくの火が消え、静かに流れる時間の中、子どもたちの心には、温かい思い出が刻まれた。 質素だけれど、心から温まる誕生日会。 それは、特別な贈り物よりも、大切な人々と過ごす時間こそが、最高のプレゼントであることを教えてくれる、そんな一日だった。