雨上がりの空は、埃一つない鮮やかな青。新設の放課後デイサービス「雨上がり」の窓ガラスには、まだ新しい木の香りが漂っている。数台のエアコンが、静かにその役割を待っている。業者さんが最後に確認してくれた冷房の効きは抜群で、これからやってくる子どもたちの笑顔を想像すると、胸が温かくなった。

準備は着々と進んでいる。壁には、子どもたちが描いた色とりどりの絵が飾られ、おもちゃ箱には、選び抜かれた知育玩具が並べられている。職員室には、子どもたちの情報が丁寧に整理されたファイルが積み上げられ、緊急時の連絡網も確認済みだ。

しかし、完璧な準備とは裏腹に、私の心には一抹の不安があった。初めての施設運営。うまくいくのだろうか?子どもたちは喜んでくれるだろうか?

そんな思いを胸に、私は窓辺に腰掛けた。遠くに見える公園では、子どもたちの笑い声が聞こえてくる。その声に導かれるように、私はふっと微笑んだ。

「大丈夫。きっとうまくいく。」

そう自分に言い聞かせながら、私は明日の準備を始めた。明日の笑顔のために。