新年度よりスーパーの野菜売り場で働くことになった、中卒の彼は、自転車に乗って風を切る朝の通勤路に、胸の高鳴りを覚えた。かつては、夢も希望も持てずに過ごしていた彼が、今、新たな章を迎えようとしていた。

障がい児童からみなし障がい者に認定された彼の道のりは、決して平坦ではなかった。周りの視線、自分自身への不安、そして将来への漠然とした恐怖。それでも彼は、諦めずに前を向いてきた。そして、ついに手にしたこの仕事は、彼にとって大きな喜びであり、希望の光だった。

「野菜をきれいに並べて、お客様に喜んでほしい。そして、いつかはこの店で、野菜のスペシャリストになりたい。」

彼はそう心に誓い、毎朝、自転車にまたがり、スーパーへと向かった。

彼の夢は、野菜を売るだけではない。
「いつか、自分の店を持ちたい。みんなが笑顔になれるような、温かいお店を。」

その夢に向かって、彼は今日から、スーパーの野菜売り場で、一歩ずつ歩み始める。