放課後等デイサービス。
窓から差し込む夕陽が、子どもたちの笑顔を黄金色に染めていた。
賑やかな笑い声と、ビンゴカードをめくるシャッフルする音が、教室いっぱいに広がる。今日は、スタッフの◯◯◯さんが考案した「ルールゲーム」と称する、ちょっと変わったビンゴゲームの日だ。

通常のビンゴとは少し異なり、それぞれのマスには「宿題をきちんと終わらせる」「友達と仲良く遊ぶ」「片付けをきちんと行う」といった、デイサービスでの日々のルールが書かれている。子どもたちは、これらのルールを守った日、職員からスタンプをもらえる。
そして、今日、そのスタンプの数だけビンゴカードのマスを埋めていくのだ。

景品は、子どもたちが大好きなお菓子の山。チョコレート、キャンディ、グミ、クッキー…色とりどりのパッケージが、テーブルの上にキラキラと輝いている。

ゲームが始まると、子どもたちは真剣な表情で自分のカードを見つめる。
◯◯◯さんがルールを一つずつ読み上げるたびに、「やったー!」とか「惜しい!」といった声が飛び交う。

ある子は、宿題を毎日きちんと終わらせていたため、早くもビンゴ寸前。
焦る様子もなく、落ち着いて次のルールを待つ姿は、日々の努力の成果を感じさせる。
一方で、苦手なルールもあったようで、悔しそうに唇を噛む子もいる。

しかし、そんな子にも◯◯◯さんは優しく声をかける。「○○くん、今日は〇〇が少し難しかったね。でも、頑張ったことは立派だよ。また明日から頑張ろうね」。

ゲームが進むにつれ、教室の空気はますます熱を帯びていく。
そして、ついに最初のビンゴ!歓声があがり、子どもたちは一斉にお菓子の山に群がる。

しかし、驚くべきことに、ビンゴになった子は、他の友達にもお菓子を分け与え始めた。最初は戸惑っていた子も、笑顔で受け取っていく。

ビンゴゲームは、単なるゲームではなく、子どもたちが日々のルールを意識し、互いに協力し合うきっかけになった。

お菓子の甘い香りと、子どもたちの笑顔が、夕暮れのデイサービスを温かく包み込んでいた。 この日の経験は、彼らにとって、忘れられない、かけがえのない思い出になったことだろう。そして、明日からも、みんなはそれぞれのルールを胸に、笑顔で過ごしていくに違いない。