
のび太君はテストの前日、
ママが大事にしていた“プラチナの指輪”をなくしてしまいました。
「これからママにたっぷり叱られることを思うと、とても勉強できない」
とドラえもんに泣きつきます。
ドラえもんはポケットから「なくし物とりよせ機」を出しました。
ハッキリとなくした物の形を思い出せば、それが出てくるという道具です。
なくした指輪を取り返したのび太君に、勉強をするよう話すドラえもんですが、
のび太君は今までなくした物を全部取り寄せました。
ママに捨てられたマンガや、ジャイアンに取り上げられた模型飛行機、
谷へ落としたムギワラ帽子などをはじめとして、様々なものを出していきます。
昔を懐かしむのび太君に、ドラえもんは言います。
「過ぎた日をなつかしむのもいいけどね、もっと未来へ目を向けなくちゃ。
ふりかえってばかりいないで、前を見て進まなくちゃ」
しかしのび太君は、
「どうせろくな未来じゃないさ。
頭も悪いし、何やっても失敗ばかり・・・
ずっと子どものままでいたいな」
と言い返し、
ドラえもんも呆れて部屋を出ていきます。
その時のび太君は、取り出した物の中にあった小さなダルマを見つけました。
それは、亡くなったおばあちゃんが昔、幼いのび太君にくれたものでした。
庭で転んで泣いていたのび太君を、そのダルマを使って慰めてくれたおばあちゃん。
「のびちゃん。ダルマさんはえらいね。
なんべん転んでも、泣かないで起きるものね。
のびちゃんも、ダルマさんみたいになってくれると嬉しいな。
転んでも転んでも一人でおっきできる強い子になってくれると・・・、
おばあちゃん、とっても安心なんだけどな」
当時のび太君はおばあちゃんに、
「ぼくダルマになる」と約束しています。
今は亡きおばあちゃんとの最後の思い出に頬を濡らしたのび太君は、
やがて立ちあがり、机に向かって勉強を始めます。
「ぼく一人で起きるよ。
これからも、何度も何度もころぶだろうけど・・・。
必ず起きるから安心してね、
おばあちゃん」