完成したイチゴとクッキーのデコレーションマグネットを、手に取ってみる。ぷっくりとしたクリームの立体感、そして丁寧に配置されたフルーツの瑞々しさ…　想像以上に可愛らしい仕上がりだ。小さなイチゴの粒々まで、丁寧に再現されている。これは、間違いなく誰かの心を掴むだろう。

さっそく、販売サイトにアップロードしようとパソコンに向かう。商品名は「宝石箱のようなフルーツスイーツマグネット」。説明文には、ひとつひとつ手作りの温もりと、見ているだけで幸せな気持ちになれるような魅力を綴っていく。写真も、様々な角度から撮影し、光の加減によって変わるクリームの輝きを捉えようと試みる。

サイトにアップロード後、数時間後。予想外の反響に驚く。「可愛すぎる！」「見ているだけで幸せ！」「プレゼントに最適！」といったコメントが次々と寄せられる。注文も、みるみるうちに増えていく。予想をはるかに超える人気ぶりだ。

嬉しい反面、少し不安も芽生える。今のペースで制作を続けていけるだろうか？　材料の仕入れは間に合うだろうか？一人で抱え込まず、協力者を募集する必要があるかもしれない。

次の課題は、大量生産と品質維持だ。可愛らしさだけでなく、安定したクオリティを保ちながら、多くの人々に「幸せ」を届け続けられるよう、精一杯努力しようと心に誓う。小さなマグネット一つ一つに込めた想いが、人々の笑顔につながることを願って。そして、いつか自分のお店を持ち、もっとたくさんの人にこの幸せを届けたい。そんな夢が、胸に膨らんでいくのを感じた。